人を褒めるときは努力を誉めよう。

人材育成を行う上で、部下を褒めるという行為があります。私は、最近まで人を褒めるときには何も意識をせずに褒めていました。あなたは、良い点数を取ったのですね、頭がいいねぇという具合に褒めていました。これは褒め方が間違っているそうです。

キャロル・ドゥエック博士によると人を褒めるときは「努力」を褒めなさい、というのです。良い点を褒めるのではなく、よく頑張ったのですねぇと「頑張り」を褒めることが重要なのです。そうすることで、努力をするとどんな難題も解決できるのだと思うようになるそうです。※ この褒め方は努力を褒められることでその人はどんな難題にぶつかっても、挑戦する気持ちが萎えなくなるそうです。能力(出た結果)を褒められると難題にぶつかった時に駄目かもしれないと心が折れてしまうそうです。

私が、昔、中小企業診断士試験に落ち続けていた時にある専門学校の講師が、最後の1秒まで諦めない人に女神がほほ笑むのですよと言われました。それを忠実に守った年に私は合格できました。諦めずに最後まで挑戦し続けることは、必ず結果がでるのだと思った瞬間でした。

卑近な例を持ち出してしまいましたが、前述の記述と同じようなことを松下幸之助も著書の中で述べています。「私は今まで失敗をしたことが無い。私は今まで物事が成功するまで挑戦をし続けてきたので、失敗は無かった」と書いています。どんな状況に陥っても、諦めずに挑戦し続けると言うしなやかな姿勢が「成功」という果実を導き出すということです。人の教育も同じだと感じています。3カ月で結果を出す人もいれば、10年かかって結果を出す人もいます。人は、みんな同じでは無く、様々な人がいるから面白いのだと思います。結果を出せない人は努力することを褒めてあげてみてください。成功する確率が上がってくると思います。

※キャロル・S・ドゥエック[2016]『マインドセット「やればできる」の研究』草思社