自分さえ良ければ(利己主義)が蔓延る(はびこる)世界

最近の新聞記事を読んでいて、ふと考えたことがあります。「漫画村」という違法サイトを構築して、広告代理店から広告収入を得て海外で裕福に暮らしていた星野容疑者。石炭火力発電所を建設して長期間に渡り発電事業をおこなっていた企業の経営者。

前者は、著作権(知的財産権)のある漫画のストーリーを盗み、自分が作ったサイトに権利の代償を支払わないで掲載し、広告代理店から広告収入を得て気楽に生活する。後者は、コストが安いから石炭をたくさん燃やしてCO2を排出しても、他に発電する方法が無いから仕方がないと言い訳をし続けている電力会社の方々です。再生可能エネルギーに転換しようとせず、地球の環境を破壊し続けて、スウェーデンの少女から冷たい視線を浴び、痛烈な批判を受けているけど平気な顔をして何の対処も発表していない人達です。今、自分さえ良ければ(利己主義)他人がどうなっても知らないという考え方をする人間がそこかしこに存在しているように思います。

人が生きていく上で、まず自分の命を守ることを優先して考えると思います。次に家族の命を守り、その次に仲間の命を守ることを考えると思います。しかし、個々の人々が自分のことだけしか考えなかったら、結局、理不尽なことだらけになりすべてのことが上手くいかなくなります。まず、マナー(相手が嫌がることをしない)があって、次にモラル(人としての最低限の約束)があって、最後にルール(規範)が存在するのです。このルールすら守れないような人間だとしたら、その人は社会で生活する資格はないのですから、特別な場所に隔離されても仕方がないですよね。

ただ、このまま利己主義がはびこるようなことが続いていくと、だんだん人が住む場所が狭まれていって相手を排除するようになります。自分が自由に生活できる場所が無くなってしまうことになります。最後には、お互いを排除しあう最悪のことが生じてきてくると思います。そのようにならないためには、自分の主張を述べつつも、相手の生活する環境を配慮するような「人間らしい姿勢」が求められてきます。利己主義が抑えられた「他を尊重する」世界を構築する姿勢が、現代の人には求められていると思います。結局、「他を尊重する」ことは自分が自由に生きていくことにもつながるのです。