働き方改革の考え方
2020年9月17日に幕張でおこなわれた「働き方改革セミナー」の講演を聴いた時のお話です。ジャパネットたかたの高田社長の講演で「ノータイム会議導入」、「スーパーリフレッシュ休暇」など当時では斬新な項目でした。2人目のワークライフバランス社長の小室淑惠さんの講演は大変興味深いものでした。
しっかりとしたエビデンスデータとグラフを基に明確なプレゼンでとても分かり易く納得できる内容でした。その中でも興味深いデータは、男性が1日に育児をおこなう時間が6時間を超えると2人目の子供が持つ女性が多くなるというデータでした。少子化の原因が男性にあることがデータではっきりと示されていました。具体的な企業名を上げて説明をしていたので説得力があります。
仕事のやり方の改革について改善提案をされていて、各自が毎朝30分でメールを確認して、チーム内で情報共有を終わらせ、当日の仕事のプラニングをおこなうというものでした。上司が部下に対して権限移譲を積極的におこない、コーチングの姿勢で臨むということも必要です。この他にも睡眠時間に関しても面白い内容を発表していました。詳しいことは彼女の書籍※に具体例が書かれていますので読まれることをお勧めします。
この講演の結論をいえば、経営者がいかに無駄なことを従業員にさせないようにするかを述べています。生産管理業務、設計業務、対顧客営業など本質的な仕事に従業員が専念できるように無駄な「ルーティン業務の廃止」を検討する必要があります。究極的には、残業をさせないことを考えたほうがより高い生産性が得られ会社の業績が上がるということです。今まで何度も述べてきましたが「残業」ほど非効率なことはありません。人間の脳は起床後13時間を過ぎると酒酔い運転と同じ状態になるのからです。働き方改革をおこなうことで、人材が育ち、会社の業績が上がり、従業員の家族も増えていくという素晴らしい未来が待っているのです。今日からみなさんも「働き方改革」を実践してみてください。
※小室淑惠[2016]『労働時間革命』毎日新聞出版