人材育成は子育てと似ている

昨今、男性の育児休暇取得について新聞等で数多く報じられています。中小企業では難しいことだと考えている経営者がいるとするならば、それは誤った考え方をしていると言わざるをえません。人材を育成する人ということはいわゆる「マルチタスク」を前提にした少数精鋭の経営をおこなうことに他ならないからです。

子供の行動をみていると人材育成に良く似ているなと気がつくことがあります。最初に接した人が穏やかな人であれば子供は穏やかに育っていきます。子育てする人は企業でいうところの教育者(トレーナー)です。対応方法を間違えるとひねくれた子供が育ってしまうように対応方法は非常に重要です。トレーナーには、食事のタイミング、子供と会話する時間と内容、一人で遊ばせるのか目を離さないような位置にいるのかなど「様々な現象に対応できる能力」が必要です。子育てする人は人材育成と同じ立ち位置にいることが必要だと言えます。

人材育成には、準備・説明・実行・評価と4つの段階があると言われています。どこが一番重要かといえば評価です。このフォローの仕方を誤ると人材の戦力化に時間がかかってしまいます。大企業、中小企業を問わず現場での問題点を発見して解決策を考えるのは、社長ではなく従業員であると考えるのが普通です。問われていることは、従業員が自分で問題点を発見して解決策を導き出してどうやったら課題を解決できるかなのです。

育児休暇を取得するためには、仕事を属人化するのではなく業務分担できる「仕組み作り」をする必要があります。いわゆる従業員の「マルチタスク化」の追求です。このためには、業務の棚卸が必要になります。業務の棚卸をおこない、やらなくてよい事を発見して業務を簡略化し各業務をできる人材を増やしていき、全員がフォローし合える状況を作り出すことが大事です。人材育成を継続するためには、育児休暇の取得を推進して、マルチタスクが可能な人材を増やしていけば利益を生む会社になっていくことは間違いありません。中小企業こそがマルチタスク人材を育成し育児休暇取得を検討するべきなのです。