人材採用のチャンスです

中小企業の経営者の方とお話をしていると、経営者と経営幹部の方の人材を採用・育成する覚悟に欠けていることが多いことに驚かされます。「うちには人材がいなくてね」と言われる経営幹部の方に限って、従業員の家族構成を把握していない人が多く見受けられます。

従業員を採用・育成するために、経営者の方に二つのことをきちんと実行して欲しいと私は考えています。一つは最低賃金(最低時給)が各都道府県の最低時給プラス90円以上で、かつ、厚生年金などの社会保険に加入していることです。二つ目は従業員の能力開発のためのシステムを導入していることです。会社が人材をいかに大事にして経営をおこなっているかを世間にアピールするためです。

しかし、給与を高くするだけでは人材は定着しません。経営者は定期的に能力評価をおこない、積極的に人材育成をおこなっていることが重要です。このことは60年以上も前からアメリカの心理学者であるハーズバーグが理論を提唱しています。賃金を吊り上げるのでは無く、「能力評価」をするべきだとはっきりと述べています。

最低時給プラス90円以上とは、ものづくり補助金を申請するための優良企業の最低条件を参考にしたものです。総支給額も2%以上の昇給を国は要望しています。つまり、最低条件を国が方向性として明示していると考えるのが普通です。これに加えて、能力評価システムの構築と人事考課システムの構築が必要なのは言うまでもありません。人材育成を「投資」と考えられない経営者は企業経営には向いていないと自覚するべきです。女性、高齢者・障がい者の活用も人材育成の一環と考えたほうが良いでしょう。