農業法人こそ人材育成が必要だ

先日、農業法人を訪問した際に、自社の労働生産性の低さに悩んでいる社長とお話をいたしました。自社の課題を把握しており、生産性を上げる努力をしていましたが、やり方に少し工夫が必要だと感じました。

経営者の方は従業員数が30人前後だと全ての作業過程に関わりを持ちたいと考えがちです。これをやるといつまで経っても労働生産性が上がることはありません。社長自身が自分で何でもやると、従業員は社長が困っていたら手伝ってくれるものだと錯覚し自らが行動を起こさなくなります。これが労働生産性が上がらない一番の理由です。

ではどうするのか?社長が直属の部下を育成してその部下が周りの従業員を育成する人事教育システムを構築すれば良いのです。教育システムの構築には「手間と時間」が必要です。これは市販で手に入れることができる評価システムを利用しても構いません特別なことは必要ありません。面談さえ定期的におこなっていれば十分です。

人事考課システムと能力評価システムの構築を行なえば、労働生産性は目に見えて向上していきます。この時のキーワードは「権限移譲」です。自分でやるべきことを把握し他人に任せられることは任せて、その結果を具体的に評価してあげてください。農業はやり直しのきかない製造業です。そのことを自覚して人事教育システムを構築すれば必ず「結果」がついてくるはずです。一般的に言われていることは思い込みが多く、正しい知識を身に着けて人材育成に取り掛かれば間違った方向へ向かうことは避けられます。