最低賃金を上げても人手不足は解決しない

最近マスメディアなどで目にするのは、賃金を引き上げするという記事です。最低賃金が上がることは良いことですが、人材育成においては入口が広がったということに過ぎません。日本の経営者は大企業も含め「人の使い方」を全く理解していないのではないかと疑いたくなります。

最低賃金を上げれば人は集まるかもしれませんが、定着するかどうかはその後の従業員に対し能力開発をするかどうかにかかっています。人は10人中8人までが自分の行動が周りから見られていることに安心感を得ます。プレッシャーと感じる人もいるでしょうが、概ねは肯定的に捉えるものです。専属で教育してくれる人がいれば良いですが中小企業の場合は物理的に難しいことが多いです。

70年前に発表されたハーズバーグの2要因論では、人は給与や生活面で厚遇されるよりも、仕事に対して助言を受けたり評価して貰えるほうが仕事の達成率が上がるという結果を発表しています。つまり、どんなに給与を高くしても仕事の達成度は上がらないという理論です。未だにこの理論を超える「動機付け理論」は発表されていません。

経営者が人手不足だと感じているのなら、①従業員の業務の見直しを図り無駄な作業を削除し②機械(システム)で代用することが人手不足を解決する方法の一つです。従業員のマルチタスク化を図り、自社に合った人事教育プログラムを導入することで従業員の労働生産性を向上させることができるようになります。決して、賃金を上げることだけでは人手不足は解決しないということを理解してください。