リスクマネジメントの観点から見直す医療

昨日は、私が所属する「さいたま総研」の定時総会に出席しました。総会後に行われた勉強会の講演が非常に有益なものでした。講師の高橋医師は、京都大学で医学博士を取得し総合病院に勤務後、現在は上尾市で開業しています。2005年頃は睡眠時無呼吸症候群はあまり知られてなく、2009年ころに徐々に世間に知られるようになりました。当時は専門医がほとんど存在しておらず、手探りの状況で研究を重ねていったそうです。その後、総合病院に勤務後に独立開業されたそうです。

脳卒中や心筋梗塞の隠れ要因の一位では睡眠時無呼吸症候群があげられるそうです。睡眠時無呼吸症候群に関する事件は、新幹線の運転士やバスの運転士などがこの病気が原因で業務中に居眠りをして事故を引き起こしてしまったという社会的な問題がありました。この病気は男性だと5人に1人、女性は14人に1人の割合で発見されるとのお話です。薬での治療はまだ、確率されていないそうです。この病気の調査は非常に簡単な方法で機械を使用してできるとのことです。ただし、この方法は健康診断には含まれていないそうです。

この他にも、現在の市町村で実施されている「健康診断」は、40歳以上の人の死亡原因の第一位である「癌」を早期発見するためにはあまり役に立たないということをお話しています。早期発見をするためには、私達は、癌の種類によって胸部CT、胃カメラ、大腸カメラなどのオプションを選択しなければいけないということをお話していました。病気というのは、私が今後支援していくべき企業のリスクマネジメントに大きく関わることになるのです。

従業員が高齢化していく中で、病気を治療せずに放置していくことは、健康経営を考えていく上では非常にリスクが高くなります。人手不足が叫ばれている昨今、経営者は人材育成と並んで従業員の健康管理にも気を配らなくてはいけません。貴重な人材が病気(脳卒中や心筋梗塞)で倒れてしまうことは、企業経営上大変なリスクを抱えることになります。睡眠時無呼吸症候群の唯一の治療法はCPAPという器具を装着して眠ることです。この器具は、医師に相談してきちんと診断をして貰えば、保険の適用があり被保険者の経済的負担は軽いということです。簡単な検査で発見できるそうなので、経営者は、積極的に費用を補助して従業員を受診させるように努めていかなければいけません。

従業員に残業をさせて過労死に追い込むなどということは経営者としては失格です。即刻退場して貰わねばいけません。残業というのは人為的な問題ですので、経営者が業務等の見直しをすることで早急に改善することで解決できます。しかし、病気の進行はそう簡単ではありません。健康経営を会社の前面に打ち出している企業は、労働環境を整えるとともに衛生環境にも目を配らねばなりません。経営者は、日頃から従業員の健康に十分なケアを行い、病気による戦力ダウンを防ぐことが必要です。中小企業の経営者は、朝礼等などで日頃から従業員との会話をしっかりと行うようにしなければいけません。会話をすることでその従業員の状態を把握することができるからです。明日から、私は経営者に対して労働環境とともに健康経営にも心配りをして貰うように助言をしていきたいと思います。