トレーニングには訓練が必要

今日(8月25日)の新聞のコラムにオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)を受けた若年世代からの批判が掲載されています。「教え方が雑」「説明が一方的で退屈」などの意見がありました。本来、人をOJTでトレーニングするためには、トレーナーが十分な「教育」を受けていなくてはいけないのです。

今まで仕事を経験したベテランだから仕事を教えられるだろうと思うことが大きな勘違いなのです。人事教育にはキメ細かい「手順」が必要です。何となく覚えている仕事は何となくしか教えられません。系統立てて教えるにはそれなりの訓練が必要なのです。やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ。70年以上前に山本五十六が提言した「教育手順の4原則」です。

私ごとになりますが、私の兄が、現在技術コンサルティングを行っています。日本でかなり有名な機械メーカー、精密部品メーカー、自動車メーカーを対象に定期的に訪問して若い技術者を対象に様々な技術を教えています。その彼が言うには、現在の大企業には高度な技術を教えられる人間が余りにも少なすぎると嘆いていました。あと数年で彼も技術コンサルティングを引退すると話していました。今後、大企業の経営者は将来の人事教育についてどのように考えているのでしょうか?私は心配になります。

人材育成にショートカットはありません。自己資本利益率10%を目標にするのであれば、むしろ、11%を目指してそのうちの1%を教育システムに回していくようにしてはいかがでしょうか?基礎研究と同じで、人材育成は即日成果が出てくるものではありません。目先の利益を得るために初期採用の給与を高く設定することは誤りだと断言できます。教育できる人間を「教育」することは企業が継続的に成長していくためにとても重要なことなのです。企業の経営者は人事戦略を再構築する時期が訪れていることに気がつかなくていけません。