甘みと旨味について考える

私はスィーツを食べる機会が最近、増えてきているのですが、和、洋のスィーツの味で「甘み」が少し強くなっているように感じています。年を重ねれば、私の舌の感覚が鈍くなってきている筈ですから、薄く感じられるはずだと思います。それが濃く感じられるのは、他の人の味に対する感覚が無くなってきているのではないかと私は感じています。

私が20代の頃は微妙な味の違いを分かっていたつもりですが、最近のスィーツのお店の味は何か濃く感じられます。特にこし餡や生クリームを食べた時にそれを強く感じます。お店としては餡や生クリームを節約している訳では無いと思いますので、顧客の味に対する反応が鈍くなってきているのではないかと思います。

昔から季節の味は大切にされてきました。ふきの「えぐみ」やトマトの酸味と甘み、栗のほのかな甘み、さつまいもの甘みなど季節の味を楽しみ、旬の旨味を楽しむことができました。それが今では高級料亭に行かなければスィーツの旨味を感じられなくなってきたように思います。

顧客の好みに合わせて、お店が味を変えていくのは仕方のないことですが、何かすべての味が画一的になってきているように感じます。料理の味は100人いれば100通りの味があっても良いと思うのですが、最近では、何か面白みのない味が増えてきたように感じます。先日、和のスィーツのお店で飲んだ煎茶の味が甘く感じた時には嬉しさがこみ上げてきました。こんな思いを求めるのは贅沢なのでしょうか?何か寂しさを覚えてしまいます。私の勝手な妄想ですかね。