間違った評価の仕方を改めよう!
昨今、毎日のように能力に見合った給与に上げていこうと新聞記事に書かれています。これができたらこの給与になりますと言って給与を上げていけば、必ず破綻することになります。人は給与を上げただけでは仕事をしないからです。記事を書いている編集者は本気でそう考えているのでしょうか?明らかに誤りであると言えます。
人間のモチベーションの源は「仕事を評価される」という体験に基づいています。給料が上がることだけでは決して仕事の成果は上がりません。「アメとムチの致命的な欠陥」という表現と持続するやる気をいかに引き出すかという動機づけ理論がダニエル・ピンクの書籍に書かれています。注1)
我々は人並みの生活ができるという給与と将来の生活がある程度保障されるという社会保険に加入できていることを求めます。しかし、給与がどんなに人よりも上回っていても、仕事での評価(能力評価)をされない限り仕事の完成度は低くなります。このことは、1954年にフレデリックハーズバーグにが提唱した「二要因論」で具体例を挙げて記述されています。
給料を上げるだけでは、人は決して仕事で高い成果をあげることはありません。能力をきちんと認められて上で人事考課を受けて初めて高い成果を上げるようになるのです。スキルマップなど基本的なもので良いので従業員の能力評価をおこなってください。その上で高い給与を与えてください。能力評価をすることは、従業員の生産性を向上させることと退職率を下げることに貢献します。まずは、従業員との対話を始めてみてください。業績の悪い企業は是非始めてください。
注1:ダニエル・ピンク[2010]『モチベーション3.0』講談社pp90-pp94