ITと農業
農業のIT化を企業が積極的に押しすすめている。AIを使ってドローンで画像を採集して分析をして、ピンポイントで農薬を撒くことができるようになった。このような技術をどこの誰にどういう方法で訊いたらよいのかわからないと農家の方から聞いた。このような技術情報をいち早く察知して農家に伝えるのも我々農業に関わるコンサルタントの仕事である。このような情報をいち早く察知して利用している農家は間違いなく大規模農家である。販路も確保しているだろうから導入費用を心配することも少ないはずである。
問題は、小規模農家には情報が行き届いているとは言い難いのが現実がある。私が現在、農家の方に説明しているのは、小規模農家をグループ化することである。農作物の種類によって特性が違っているので、収穫時期も異なってくることが多い。収穫する人も高年齢者ばかりで短期間に収穫する人を集めることが難しいと言われている。そのためこのような農家をグループ化し、その問題を解決すべく奮闘している。私が開発した「農作業を取り入れた企業研修プログラム」はこの収穫や畝づくりなど手間がかかる作業を解決できるように開発した。コミュニケーションスキルやチームワークの醸成に役立つように開発した。興味のある人事担当者は直接、当事務所に問い合わせをして欲しい。
ITを利用して農作業を行っていくことも効率を追求する上で重要なことだと思う。しかし、小規模の段々畑においてはそれも難しいことは事実である。機械が使えないのなら、人手に頼ればよい事である。しかも無料で人を使える。農薬などを使う慣行農業ができない農家の中には、品質の良い農作物を作っている方も結構いる。このような農家では有効に活用できると考えてこの企業研修プログラムを開発した。
農場を大規模にして機械化しなくては、これからの日本の農業は立ちゆかないのも事実である。ただ、それに埋もれてしまう「高い品質の」農作物を栽培している人を切り捨ててしまうのも「もったいない」ような気がする。大規模化と個性を活かした小規模農家を上手く融合していける農業を目指せないか模索している。