10連休は良い事なのか?
元号が平成から変わることで、今年の4月、5月の連休が10連休になると世間では騒がれています。休日が増えるので良いことだと言う人もいますが、ちょっと考えるとあまり芳しくないことが多いようです。その一つ目は、毎年のことで今更ですが、鉄道、飛行機や宿泊施設の予約を確保するのが難しく、かつ、価格も上昇してこの期間だけ「すし詰め感」満載の高価格の状況に陥ることです。二つ目は東京証券取引所も休日となることで世界の株式の売買から外れてしまいます。米国では3連休が限度でそれ以上は休まないそうです。何故なら、経済活動には悪影響が出るからだそうです。
働き方改革からいっても問題が生じてくると思います。サービス業を含む交通機関などで3,000万人の方々がこの期間に働いています。保育園なども休みになることで、この方々の子供はどうなるのでしょう?10日間も面倒をみてくれる人はいるのでしょうか?あと一カ月間でこれらの問題を解決できるとは到底思えません。これらの事実は10連休と言い始めた時から問題視されていました。一部の人を除き、この問題が懸念されることを解説する人はほとんでいませんでした。
そもそも、祝日が多いことは本当によいことなのでしょうか?2019年は振替休日やらで年間で22日も休みがあります。これに加えて土曜日と日曜日が休みだと104日+22日で126日がお休みです。それよりも、有給を交代で取れるような体制(マルチタスクプレイヤー)を確立することのほうが重要だと思います。有給もまともに取れない会社が多いのに、これ以上祝日を増やしてどうするのでしょうか?
私は、サービス業の会社にいましたので、ゴールデンウイークや祝日などは働くことが多いのが普通でした。しかし、正社員が交代で有給を取っていたために10連休が年間で3回もありました。宿泊施設は普通の料金で、鉄道の座席予約は楽に取れました。会社の上司には、効率を追求することやマルチタスクが可能になるように従業員をトレーニングすることを要求されました。私は、残業を減らせだの祝日をもっと増やせだの言う人のことを理解できません。今、やるべきことは少し頭を柔軟にして平成の時代で増やした祝日をすべて止めて、従業員の有給消化100%を目指した方が良いと思います。そんなことはできないという経営者の方は、知恵を絞って業務の見直しをしたり、人材の育成に取り組んでいただければ、必ずや光明が差し込んできて上手くいくと思います。30年前にそうやって、交代で10連休を取得した人がいたのですからね。働き方改革を成功させるためには、大企業の経営者の頭を柔らかくするしか方法はないと思います。大企業で働く人が、中小企業に無理を強いるのではなく、自分たちの「仕事のやり方」を改善することが先決ではないでしょうか?